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今この記事を読んでくださってる方で、山口百恵さんを知っている世代はどれぐらい居るでしょうか？
リアルタイムで歌を聴いたことがない若い方々も一度ぐらいは何かで耳にしたり、親から彼女の伝説とも言うべき衝撃の引退劇の話を聞かされたことがあるのではと思います。

俳優の三浦友和さんとの結婚を機に、彼女は主婦業に専念するため芸能界を去りました。
当時、彼女は既に日本のトップスターであり、もしあのまま芸能界に残っていたとしても、まだまだ人気が上昇し続けたであろう実力派の歌手であり女優さんでした。

引退後は写真週刊誌にプライベートの様子をスクープされたりもしましたが、公には一切姿を見せず、今も尚、自ら宣言した通り立派に主婦業に専念し続けているのです。
その意志の強さ、妻として、母親として、何よりも人間性の完成度。誰もがその逞しさ、美しさに感動を覚え、尊敬の眼差しを送りました。

そして、その劇的な最後を飾った、けして忘れられないあの曲、『さよならの向こう側』





この曲を歌っている中、涙がこみあげて歌が覚束なくなったり、それでも「これで最後なんだからしっかり歌わなきゃ・・・」と毅然とした姿勢になったり、まるで寄せては返す波のような彼女の心情が痛いほど伝わってきます。


『さよならの向こう側』


この曲はもちろん、これまで彼女のことを応援し続けてきたファンのために贈った歌。

でも本当はそれだけではなく、大スターとして懸命に駆け抜けてきたもう一人の自分に向けて、永遠のさよならとして捧げた歌だったのではないでしょうか。

そして、さよならの向こう側には、永遠に語り継がれる彼女の伝説がありました。